刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
食べ終わった食器の片付けを少しでも手伝おうと厨に行くと、テーブルの隅に見覚えのある木箱があった。その木箱は紛れもなく、骨董市にあったあの木箱だ。恐らくその中身は私が手を切ってしまったあの包丁。
「…っ!」
「主さん?どうかしましたか?」
「こっ、これ!この包丁どうしたの!?なんでここに…?」
顔を引きつらせながら硬直してしまっている私に話しかけてきたのは、洗い物をしていた堀川くんだった。
隣にいる兼さんも泡の付いた食器を片手に、キョトンとした表情で私を見つめている。
「その包丁、主さんが買ってきたものじゃないんですか?」
「違う、私達包丁なんて買ってない…」
「そうなんですか?てっきり主さんかと思ってました…なら誰かがきっと万屋にでも行って買ってきてくれたんですね。1本買い足そうと思っていた所だったので、丁度良かったって思ってたんです。ねえ兼さん」
ゾク…――
おお、そうだな!と言いながら頷いてる兼さん。その時、背筋に言いようのない悪寒が走った。怖くなった私はその場に居られなくなり、厨を飛び出し皆のところに駆け込んだ。
「そんなに慌ててどうしたのさ?」
「次郎ちゃんっ!さっきね、」