刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
でも――
耳に直接響くような声が聴こえたのも本当に気のせい?それに、包丁を木箱から取り出した覚えもないのに気付けば手に持って指を切っていた…
歌仙もさっき、一瞬良くない気を感じたって言ってたけど…関係あるのかな…
「ね、歌仙?」
「どうしたんだい?主」
「さっき一瞬良くない気がって言ってたけど…」
「あぁ、それなら僕の気のせいだったみたいだ。一瞬感じたような気がしたけど、今は全くもって感じないし心配するような事は何もないよ」
「そっか!それなら良かった!」
歌仙の大丈夫という言葉でモヤモヤしていた心が晴れた。
その後は、傷口が化膿したら大変だから本丸に帰還する、と心配する歌仙をどうにかこうにか宥めながら、予定通り買い物を済ませて疲れた足を休ませるため、甘味処でゆっくりお茶をしてから帰宅したのは夕方だった。
帰宅早々歌仙に急かされ、怪我をした指を薬研くんに手当してもらってから少し遅れて夕餉を食べる。
シーちゃんともうすぐお別れということもあり、本丸休日の夕餉の後はそのままお別れ会と称した宴が始まっていた。
「あ、れ……これってまさか……なんで」