刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第47章 一人の少女
せっかく仲良くなれて彼女の事を妹のように慕っていたのに寂しいな、と思ったけれど、彼女がせっかく自分で歩き出そうと決心したのだから水を差すようなことを言ったら駄目だと思い、私も承諾した。
――そして、シーちゃんは皆が揃うときは今日しかないからと言って本丸が休日の時、最後の挨拶を朝餉の時に行った。
打刀や太刀などは特に表情を変えることもなく聞き入っていたが、短刀ちゃん達に至っては寂しいという感情が滲み出ているような、曇りのあるそんな表情をしていた。
「……そんな訳で…本当に、皆様にはお世話になり、有難うございました」
深々と頭を下げてお礼を述べるシーちゃんに、私も頭を下げる。
「こちらこそ、シーちゃんには沢山助けてもらって感謝してます。……もう少ししたらシーちゃんがこの本丸からいなくなっちゃうんだ…って思うと、正直とても寂しいけど、いつまでも応援してます。新天地で頑張ってね」
「はい…私も本音をいうと寂しいです…でもいつまでも甘えていられないですから頑張ります!」
「困ったことがあったら遠慮なく頼ってね…」
「ありがとうございます…審神者様や刀剣の皆が良くしてくれたから立ち直れた。本当に感謝してます…このご恩は絶対に忘れません……それに、ここに居て、皆を見てたら家族って本当にいいなって改めて思えたんです。私もいつかそういう相手に出会って、自分だけの家族を作れるように頑張りたいって心の底から思いました」
そう言って微笑むシーちゃんを見ていると、大倶利伽羅さんとの事で少なからず勘ぐったりしてしまったことに、再度罪悪感を覚える。