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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第47章 一人の少女


「そうですよね。それくらいは私も存じてます。だから驚いたんです。ここの大倶利伽羅様は雰囲気が柔らかいというかなんというか…私が見た他の本丸の彼は、近寄りがたい感じでした。ここの大倶利伽羅様とは全然違う……それに…襲撃されたとき、私を助けて出してくれたのも大倶利伽羅様ですよね…?ぼんやりと覚えてはいたんですけど、今まで誰かはっきりしなくて。でも最近そうかなって思ったんです」

「…シーちゃんの言う通りあの日あなたを助けたのは大倶利伽羅さんだよ」

「やっぱり…全部は思い出せないのですが…もう大丈夫だって言ってくれた声が凄く優しかったのははっきり覚えてて。…やっぱり大倶利伽羅様だったんですね…」


もうかなり小さくなった大倶利伽羅さんの背中を見つめながらそう言ったシーちゃんは、まるで恋をしているような表情をしていた。

大倶利伽羅さんとシーちゃんは全然接点もないし、恋というほどではないかもしれないけど、少なくとも彼女にとって大倶利伽羅さんは命を救ってくれた王子様のような、そんな特別な存在なんだということはその表情で分かった。

私がシーちゃんの立場だったらきっと助けてくれた刀剣男士にときめいてしまうだろう。顔面偏差値が物凄い彼らにお姫様抱っこなんかされて「もう大丈夫だ」なんて言われたらいちころだ。

…かといってそこから恋に発展するかどうかは分からないけど。


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