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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第47章 一人の少女


ずっと泣いていたその瞼は赤く腫れ上がっており、とても痛々しくて見ていられないほどだった。それなのに、今だって悲しくて悲しくてどうしようもない筈なのに、彼女は気丈に振る舞っている。


「あの、突然こんなことになり、本当にすみません。……暫くの間お世話になります。どうぞ宜しくお願いします」

「彼女のことはシーちゃんと呼んで下さい。勿論真名とは全然関係ないあだ名です!」


真名とは関係ない。そう断言したものの…実は彼女の名字は塩谷と聞いたから。それにパティシエ見習いだからということで、塩谷のしとパティシエのシでシーちゃんにしよう、と二人で決めた。

シーちゃんが深々と頭を下げると、注目していた刀剣達のあちらこちらから「よろしくな」とか「宜しくお願いします!」という言葉が聞こえる。


「よーし!今夜はシーちゃんを歓迎して祝杯だぁ!」


次郎ちゃんが声を上げると、周りからも「おー!」とか「いいぞいいぞー!」といった歓迎の声がアチラコチラで聞こえてきた。


「宴になっちゃったけど、シーちゃん無理に皆に付き合わなくてもいいからね?」

「ありがとうございます。でも大丈夫です。賑やかな方が気が紛れるし……それに、こう見えてお酒は強いんですよ。何でもイケます」


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