刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第47章 一人の少女
それから3日が過ぎた。
暫くは客間の前を通る度に、部屋にご飯を持っていく度に声を押し殺して泣いている彼女の姿があった。
だけど、客間にずっと籠もりっぱなしで塞ぎ込んでいた彼女も徐々に部屋から出てくるようになった。
男士達にはこんのすけから返事をもらったその日の夜に、彼女の身辺が整うまでこの本丸に滞在することになった事を伝えている。
その時に出来るだけ力になって欲しいということと、手入れ部屋には近づかせることがないようにお願いした。戦いから帰還した男士、特に傷を負っている姿を見たら取り乱してしまうかもしれないからだ。
そして今までは部屋で食事を取っていた彼女が広間で食事を取りたいと言ってきた。
皆に気兼ねして無理をしているんじゃないかと心配だったけど、彼女に今後お世話になるのだから刀剣の皆さんにご挨拶だけでもさせて下さいとお願いされ、今こうして皆が揃う夕餉の時間に紹介する運びとなった。
私の横には彼女が申し訳無さそうに座っていて、皆の視線は彼女に注がれていた。
「前にも伝えた通り、暫くこの本丸で預かることになったので宜しくお願いします」