刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第47章 一人の少女
優しい男士達。だからこそこの本丸で預かる事が心の傷を癒すには最善な方法なんだろうな、とそう思うんだ。
「こんのすけ…あの子なんだけど…せめて気持ちが落ち着くまでここで預かれないかな」
「審神者様、部外者を本丸内に入れるだけでも問題がありますのに預かるとなると……厳しいかと思いますが…」
「わかってるけど、なんとかならないかなこんのすけ……」
「正規の手続きでいくと政府施設で預かる事になるかと思われますが、それでは宜しくないということですか?」
「そういう訳じゃないんだけど、あの子がここにいたいって言ってるの。だったら力になってあげたいし、それに政府だときっと一人になる事が多いでしょう?すごく心細いと思うの…だからここで皆と過ごしたほうが気も紛れるし、何より少しでも傷が癒えるんじゃないかなって……私も皆のお陰で立ち直れたから……」
「そうですか……そういうことなら話はしてみますが…期待は、しないでくださいね」
「うん、わかった……ありがとうこんのすけ」
少しでも彼女の心を癒やしたい、その一心でこんのすけに頼み込む。するとこんのすけは苦い表情を見せるも掛け合ってみますと言い、煙と共に姿を消した。