刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第14章 それぞれの想い
大倶利伽羅さんの端正な横顔がとても近くて、さっきまで抱き締められていた手に、今度は抱き上げられていて…
好き…
好きです…
大倶利伽羅さんが好き…
私の中で『好きかもしれない』と思っていた気持ちが確信へ変わった瞬間だった。
どうしよう…気付けばこんなにも好きになっていたなんて。
心臓がうるさく脈打って、自分の体が、心がどうにかなってしまうんじゃないかと思った。
そのまま大倶利伽羅さんは、薬研くんのところに私を連れていった。薬研くんは、大倶利伽羅さんに抱っこされている私を見て大層驚いていた。
「旦那、大将どーしたんだ?」
「国永の落とし穴に落ちた、見てやってくれ。背中に打撲と擦り傷がある」
「大将が落ちたのか!?」
ビックリしながらも、片手で口を抑えていて、見るからに笑いを堪えている様子に居たたまれなくなる。
「旦那、とりあえずここに大将を連れてきてくれ」
薬研くんが医務室の簡易ベッドを指さすと、大倶利伽羅さんは私をベッドにそっと座らせてくれた。すると薬研くんは私をうつ伏せにして服の裾に触れる。
「大将、背中ちょっと服めくるぞ」