刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第47章 一人の少女
私も両親を失った身だ…彼女の悲しい気持ちは痛いほどにわかる。自身のあの時の事も思い出して自然と涙が溢れた。
「ごめんね、ごめんね……」
「やだっ!やだやだ…やだよぉ…!!ど、うしてぇ!」
助けてあげられなくてごめん……
何もできなかった自分。
彼女に申し訳なくてただただ謝ることしか出来なかった。
ひとしきり泣いたあとは、一人にして欲しいと言う彼女を客間に残し、短刀ちゃん達はそれぞれの部屋へ、私は執務室に戻った。
――戻ったはいいけど…泣いている彼女の姿が目に焼き付いて離れない。
「大丈夫か」
私を気遣うような声に顔を上げると、大倶利伽羅さんが心配そうに私を見つめていた。
「あ、ごめんね…入ってきたの気付かなくて……あの子ならさっき目覚まして、」
「俺はあんたが大丈夫かと聞いているんだ」
「えっ…あ、うん……私なら大丈夫だよ…どうしたの?何かあった?」
慌てて笑顔を作ると、大倶利伽羅さんはそっと近付いてきて濡れている涙袋に指を添えた。
その指が優しく涙を拭ってくれている。
「ごめん…貰い泣きしちゃっただけなの……でも大丈夫…私には伽羅ちゃんがいるもん…」