刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第47章 一人の少女
その様子に短刀ちゃん達がこぞって身を乗り出す。
「あるじさまっ目を覚まされました!」
「……こ、こは…」
状況を把握できていない様子の娘さんは、硬い表情のままきょろきょろと辺りを見渡してからゆっくりと体を起こそうとする。
すかさず背中に手を添えると力のない瞳と合わさった。
「大丈夫、ここは私の本丸です…万屋街が時間遡行軍の襲撃にあって、……覚えてますか?」
娘さんは時間遡行軍という言葉を耳にした途端ハッとした表情を見せ顔を青ざめさせる。
そのまま布団から這いずり出る娘さんを引き留めると、必死な形相で問いかけながら私に縋り付いてきた。
「あのっ祖母と祖父は!?お店で一緒に居たんですけどここに来てますかっ?」
あの後、大倶利伽羅さんが娘さんを助け出した時、おじいちゃんとおばあちゃんは娘さんを守るように覆いかぶさりながら既に息を引き取っていたと…大倶利伽羅さんが言っていた。
娘さんの問いに首を横に振ると、私の服を握っていた彼女の手が力を無くしたように落ちて、彼女の体も崩れ落ちた。
「あ……っおじいちゃん!おばあちゃ…!!」
泣きじゃくる娘さんを抱き締めて背中をさする。