刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第47章 一人の少女
「あんたの好みだろう」
「え!……も、もしかして私の選んでくれてた、とか?」
「たまには……あんたの酒に付き合うのも悪くない、と思ったんだが…」
少しバツの悪そうに言葉を発する大俱利伽羅さんに、ここが店内で他のお客さんも沢山いるということも忘れ抱き着いた。
「嬉しいっ!!伽羅ちゃん大好きっ!今日の夜一緒に飲もうね!ね!?」
「っ!、わ…わかったから離れろ」
大俱利伽羅さんが顔を赤くしながら私を引き剥がす。はて、この反応は…?と周りを見ると、店内にいるお客さんが目を見開き、口をポカーンと開けながらこちらを見ていた。
いつかの演練の時のような状態に、またやってしまった、と体が恥ずかしさでカァッとなり、慌てて大俱利伽羅さんから更に距離を取る。
「ごごごごめん!えっと……わ、私このお酒がいいなぁっ」
誤魔化すように棚にある梅酒を取り、ついでに横にあるチーズやクラッカー等を手に取ってから横のカートに詰め込んだ。
それから本丸への配達の手配をレジで済ませてから、今度は食器を売っているお店へと向かった。
「よし、これで全部終わりかなぁ?」
「終わりだな」