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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第47章 一人の少女


店内は焼き菓子特有の甘い匂いが漂っていて私のお腹を刺激する。ショーケースの中を覗くと、色とりどりのケーキ、加えて棚や籠には色んな種類の洋菓子や和菓子も並べられていて胸が躍った。


「ほら見て!伽羅ちゃんの好きなずんだ餅もあるねっ!」

「…ああ」


ずんだ餅を指さして大倶利伽羅さんを見ると、微かだけど嬉しそうな表情をしているのがわかる。お付き合いするようになってから、以前はわからなかった彼のちょっとした表情の変化もわかるようになった。

表情の変化を発見出来るようになったときは嬉しくて堪らなくて、発見する度に近侍にお話した。近侍が短刀ちゃんの場合は一緒に喜んでくれたりしたけど、宗三さんに限ってはいつも呆れ顔で見られたっけ。

「ね、今喜んでたよね?」「さっきちょっと落ち込んでたよね?」などなど飽きることなくその都度聞いていたら、「僕にはいつもの仏頂面にしか見えませんでしたけど。……惚気ですか?」と呆れたように溜め息を吐かれてしまったのを昨日のことのように覚えている。


「ご試食どうですか?」


ショーケースや棚に並べられた洋菓子や和菓子があまりにも美味しそうで、何を買おうか悩んでいたら娘さんが話しかけてきた。


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