刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第14章 それぞれの想い
優しい眼差しの大倶利伽羅さんの綺麗な金色の瞳と目が合って、何故かそのまま目がそらせなくなり、暫く見つめあって動けなくなった…
「…」
「…」
ふいに手が引っ張られて、何かにぶつかった。
それが大倶利伽羅さんの胸板だと気付いた時に、抱き締められているんだ、とわかった。
「……っ」
し、心配してくれてるのかな…
突然のことにビックリして、体が動かない…
ザワザワと落ち葉が地面を転がる音、池で鯉がポチャンと跳ねる音、鍛練の木刀の打ち合う音。遠くの方で聞こえる誰かの話し声。
いつも聞いてる音なのに何故か、非日常にいるような、そんな感じがした。
そのままギューーっと強く抱き締められ、背中に痛みが走り、つい、痛っ!と口に出してしまった。
その声に反応して、慌てて大倶利伽羅さんが抱き締めていた手を離した。
「怪我しているのか?」
「え、えっと…」
「痛いとこがあるならちゃんと言え」
「あ、あの、落ちたときに背中と腰を打ったみたいで…」
「他は?どこか痛むか?」
「他は今のところは、大丈夫です…」