刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「…っ、ご、ごめんなさい」
「ち、」
「別に咎めている訳ではないよ、買い物を頼みたいんだがいいかい…?」
「買い物?」
「ずっと余所者がいて主も随分と気を揉んだんじゃないかと思ってね。外に出て気分転換してきたらどうかと思ったのだけどいらぬ心配だったかな?」
歌仙の意外な気遣いに驚いてしまうけど、私は即答で「行きます」と答えた。するとにっこり笑った歌仙は私に買い物リストを手渡す。
渡された小さな紙に書かれた流れるような綺麗な行書を目で追うと、そこには菓子とだけ書かれていた。
「お菓子を買ってくればいいの…?」
「短刀達が好みそうなものを…大倶利伽羅、主の護衛を任せてもいいかい」
「言われなくともそのつもりだ」
「それは良かった、ではお願いするよ。主、帰りの時間は気にしなくていいから久しぶりに彼とゆっくりしておいで」
再びにこりと微笑んでから、ポンと私の肩を軽く叩き去っていく歌仙。本当に優しい。
「伽羅ちゃんは、この後予定とかなかった?一緒に行ってくれる?」
「ああ」
「じゃあ準備してくるからちょっと待っててね!」
「焦らなくていい」
「うん…っ!」