刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
そして大倶利伽羅さんの顔が斜めに傾いて、近付いてくる。
「あ、…え、それは……ダメ!」
一瞬流されそうになったけど、年配の顔が過ぎりなんとか踏みとどまる。すんでの所で制止すると大倶利伽羅さんの動きがぴたりと止まった。
「何故…」
「だって……まだ監査中…」
「あんたが煽った」
「煽ったわけじゃ、」
「おかえりのちゅうだ、いつもしているだろう。それともそれも駄目なのか?」
「それも、ダメ………だって…一応執務中、というか……ここ、書庫だし…?」
「どうでもいいな。それに俺が好きなら別に構わないだろ」
「そ、そうだけどっ!じゃなくてっ」
見つめられて決心が鈍る。
それに、口付けを強請る大倶利伽羅さんが堪らなく可愛い!
思わずいいよ、と言いそうになるけど大倶利伽羅さんの瞳を見てダメダメダメと頭を振る。だってその目…絶対軽いのじゃ終わらない目をしている!
大倶利伽羅さんの綺麗な金の瞳は、軽い口付けとは程遠く、見るからに熱を孕んでいるのがわかる。
そんな彼に口付けをされたら私も歯止めが効かなくなってしまう自信があった。
「ダメ…それは今度、また今度ねっ」
そう言ったのに、大倶利伽羅さんは強引に唇を寄せてくる。