刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「伽羅ちゃん…戻らないと色々問題が……」
「…あの男なら執務室に籠もっているし、何かあっても近侍が対応している。だから平気だ」
確かに私が執務室に居たときも年配は資料に目を通しながら電卓を叩いたり、パソコンのデータと見比べたり。私が居ても居なくても特に問題ないように思えた。
でも何かあったら近侍に迷惑をかけるかもしれない…と罪悪感を募らせていると、大倶利伽羅さんは私の頬にそっと掌を添えてきた。
彼の大きな手が温かくて心地よくて、いつもと変わらず触れてくれたのが嬉しくて、彼の掌に自分の手を重ねるように添えて、頬をすり寄せた。
「伽羅ちゃん…この間はごめんね………」
「…別に仕方がない」
「うん……」
「…」
「伽羅ちゃん…………大好きだよ……本当に、好き」
「っ、」
「……?どうしたの?」
「…はぁ」
愛しくて堪らなくて自然に出た言葉。けれど大倶利伽羅さんは少し困ったように眉をしかめてからため息を吐いた。迷惑だったかな、と思い少し不安になる。
「ごめん…今言うことじゃなかった…」
「そうじゃない…」
「え…?」
「あんたが、…悪いんだからな」
大倶利伽羅さんが余裕のなさそうな声で言ったかと思ったら、ぎゅううっと抱き締められた。