刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
伽羅ちゃん……
怪我もなく帰ってきてくれてありがとう。
心の中で彼の無事を感謝しつつ起こさないようにそっと覗き込む。相変わらず物凄く格好良いその顔は、長い睫毛を伏せて安心しきったような表情で眠っていた。
本当にぐっすり寝てる…
こんな風に私に無防備な姿を見せてくれるのが凄く嬉しい。
…こうやって二人きりになるのは随分と久しぶりだ。
本当は会いたくて仕方がなかった。日にちにしたら大した日にちじゃないのかも知れないけど、とても懐かしく感じる。
疲れて眠っているのに邪魔したら悪いよね…
大倶利伽羅さんが起きるまで、まだ片付けてなかったファイルを片付けようとそっと立ち上がったら、急に腕を掴まれてそのまま引っ張られた。
「ひゃぁっ!」
その反動でソファーの横にバサバサと音を立てて落ちるファイル。拾おうと手を伸ばすけどそのまま大倶利伽羅さんに抱き寄せられて、彼のソファーに座ってる足の間に横抱きにされるようにすっぽり収まってしまった。
さっきまで閉じていて見えなかった綺麗な金の瞳が私を映している。
「何処へ行く」
「っ!えっと、今このファイルを片付けようと思って…吃驚した。いつから起きてたの!?」