刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
一方の鶴丸も、長谷部を落とし穴に落とした後はこってり絞られるのが常だった故に、新米の意外なリアクションに気を良くしていた。
放っておいたらいつまでも眺めていそうな雰囲気に、立川はまたしても声を張り上げる。
「新米!次行くぞ次!」
「え!?鶴丸さんにいろいろ聞かなくてもいいんスか!?」
「もういい、わかったも同然だ。調査票にしかと記入しておけよ!」
「え!何を?落とし穴の深さとか、落ちた感触とかっスか?えっと……意外と痛くなかったっス!」
「バカヤロー!そんなわけないだろう!!」
「え!じゃぁ何スか?」
「自分で考えろ!脳みそ入ってんのか、このボケ!」
ポケットに手を突っ込みズンズンと早足で歩く立川の背を追いかける新米。
新米からも刀剣達からも的外れな発言ばかりされ、イライラを新米にぶつけている立川だったが、その表情はどこか満足げに見えた。
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そして4日目。
「何をしているんだね?」
国広くんと本丸の外周を見回っていたら年配に声を掛けられた。
年配は顔を歪ませて疑いの目を向けてくる。
何かしただろうかと考えを巡らせていると、年配は「こんな人気のないところで、二人きりで何を…?」と追求してきた。