刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
その様子に立川は怪訝な顔をしたままその場から動かなかったが、新米は疑うことなく歩き出した。
すると、数歩進んだところで新米の足が突如沈む。
「うわあああっ!!」
予想通りあっという間に視界から消えた新米を、立川は上から見下ろし吐き捨てた。
「バカが…ッ!」
「バ!バカって…ひ、酷いじゃないっスかあ!先輩ィィィ!知ってて俺を止めませんでしたね!?」
「新米、お前の勉強不足だ。驚きを求める鶴丸国永といえば何かあるに決まっているだろうが。予測しろ予測を!!」
すんでのところでおかしいと気付いた立川に、新米は穴から這い上がりながら訴えるも、自業自得とも取れるような立川の発言にがっくりと項垂れた。しかしここで落ち込むような新米ではない。自力で穴から脱出した後、落ちた穴を嬉しそうに上からじっくりと観察した。
「こ、これが噂の鶴丸国永特製落とし穴!!スゲーっス!!俺、生の落とし穴に落ちたっスよ!しゃあぁぁっ!」
目を輝かせて落とし穴と鶴丸を交互に見つめた後、ポケットから取り出した端末でパシャリと何枚か写真を撮った。そして落とし穴を満足そうに見つめる。その表情はとても満足そうだった。