刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「じゃあ伽羅ちゃんも一緒にっ」
「俺はこれを先に直してから行く。心配には及ばない」
そう言いながら私に背を向け、土の上に転がっているスプリンクラーのヘッド部分を手に取った。
平気だと言うけど、大倶利伽羅さんは上半身裸の状態だ。いくらなんでも平気なわけがない…そう思い何度か声を掛けたけど一蹴された。
仕方なく彼のTシャツを着たままその上からジャージを羽織り、自室の浴室へと向かう。
トボトボと歩いている最中、気になって後ろを振り返ると、大倶利伽羅さんの側に年配がいて何やら話をしている。
こっちに向かってきているというのは本当だったんだ。確かにあのままこの姿を見られていたら、嫌味の1つや2つ言われていたかもしれない。
私の体より大分大きい大倶利伽羅さんのTシャツとジャージに包まれながら、ギュッと自分の身体を彼の服ごと抱き締めた。
「……せっかく会えたのに全然お話できなかった」
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その後、長谷部の部屋では政府職員による聞き取り調査が行われていた。
「これから聞く質問に嘘偽りなく答えてくれ。万が一虚偽と判明した場合は追求し、理由によっては刀解もあり得るからそのつもりで」