刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「……はい、本体だけではなく体まで…服を脱がされて、痣がないかとか、手入れは十分にされているかのチェックをされました…優しかったけど、脱げと言われたときは流石に僕ちょっと怖かったです…ぐすっ…」
「身体検査って五虎ちゃんだけなの?安定くんもされた?」
「僕は聞き取り調査と本体のチェックだけだよ」
「兼さんは?」
「俺もされてねぇ。短刀だけじゃねぇのか?」
落ち込んでいる様子の五虎ちゃんの頭を撫でながら話を聞けば、男士に対して暴力をふるっている本丸では大抵その対象が短刀の場合が多いらしく、その中でも五虎ちゃんや乱ちゃん、秋田くん、大太刀の蛍丸が圧倒的だという。
打刀や太刀は虐待でも連続出陣させられている例が多い為、体より刀本体を重点的に調べられたらしい。とにかくこんな話、他本丸の話とはいえ兄の一期さんが聞いたらさぞかし胸を痛めることだろう…
「気分悪いよな…まあ、虐待とか、そういう本丸が本当にあるのなら必要なことだし、仕方ねぇのかもしんねーけど」
「僕達の本丸はそういうことと無縁だからさあ…はっきり言ってこんな調査不快でしかないよ…」
「調査は仕方ないとして…もう少しあの高圧的な態度と口調がどうにかなればまだ許せるんだけどねえ…」
私がそう言うと皆が力強く頷いた。