刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「怒ら、ない……?幻滅したりしない?」
「する訳がないだろう」
「…………あの、ね……容姿のことは悪く言っちゃダメってわかってるんだけど…ね」
「けど?…言ってみろ」
「バーコード頭…」
「ばあこ…頭?……なんだそれは」
あ、そうか……
知るわけないよね。
眉を寄せている大倶利伽羅さんに、ちょうど座卓の上にあったお菓子の箱のバーコードを見せる。
「これ…これがあいつの頭の毛にそっくりでしょ。これね、バーコードって言うの。…だからバーコード頭」
「……」
「伽羅ちゃんの蹴りがなかったら、掴みかかってあの憎たらしい顔を思いっきり平手打ちしてからあいつの薄い、貴重な髪の毛を毟ってた、…と思う。多分…うん…あの、何度も言うけど容姿のことは悪く言っちゃダメなのは十分わかってるつもり、だけど…その、……皆のこと悪く言われてあまりにもムカついたから…」
「くっ……」
面白かったのか大倶利伽羅さんが肩を震わせている。大倶利伽羅さんがこんなに笑うのはとても貴重だから眺めていたいけど、それよりも自分か情けなくて金の瞳から逃げるように俯いた。
一番落ち着かなきゃいけない私が感情的になってしまってバツが悪い。