刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「言い返せって……そう思ったでしょう?皆のことも、あんなに侮辱されて…なのに…」
この本丸の為と思って黙っていたけど、今思えばあそこまで言われたのだから少しは言い返せば良かったのかも知れない。
大倶利伽羅さんの胸に顔を埋めながらそんな事を考えていると、彼の掌が落ち着かせるかのように背中をゆっくりと撫でた。
「思わない。あんたが黙っているのは俺達のためだとわかっている。だから長谷部達も我慢していたんだ。それがなければあの男の命はもうとっくに消えていただろうな」
「えっ!それって」
物騒な言葉に驚き顔をあげると、大倶利伽羅さんは私の目を真っ直ぐに見つめて言葉を続ける。
「あんたがあれ程までに侮辱されたんだ。俺達が黙っているわけがないだろう。あいつらも俺もあの男を消し去る事に躊躇はない」
「……」
「それくらい皆あんたを大事に思っているということだ」
「…伽羅ちゃ、」
「それに、言い返さないも何も、あんたは俺達のために反撃しようとしただろう?」
「え…?」
「くそ野郎と、あんたの口から聞こえた」
「ぶっ!や、やだ!聞こえてたんだ……ごめんなさい……我を忘れてしまってつい…恥ずかしい…」