刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
客室を出たときに、怒りと悲しみと色々な感情が入り混じったような複雑な顔をした刀剣達と目が合う。その中でも長谷部は怒りでわなわなと身体が震えているようだった。
「主!大丈夫ですか…」
「私が不甲斐ないばっかりに不快な思いをさせてしまってごめんね…私はこの通り大丈夫だから、皆は戻って…」
「し、しかし…」
「大丈夫だよ長谷部。これから一週間、彼らに従い聞かれたことは素直に、嘘偽りなく答えて下さい」
それだけ言い彼らに背を向けた。早くその場を離れないとお腹の底に渦巻いているどうしようもない感情を抑えられなくなりそうだった。
執務室に着き、男に言われたことを反芻していると、悔しくて自然に涙が出てくる。
止めたくても自然と出てきてしまい、声を押し殺して泣いていると、調査が終わったらしい大倶利伽羅さんが戻ってきて私の隣に腰かけた。
情けない…こんな姿見られたくない。
「ごめん…今は、一人にしてほしい…」
「……今のあんたを一人にするほど薄情じゃない」
大倶利伽羅さんはそう言うと、私を包み込むように抱き締める。
「っ、……伽羅ちゃん……ごめんね、嫌な思いしたよね…」
「あんたが謝る必要がどこにある」