刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
それに、私が言い返さないのをいいことに、目の前の男は次から次へと心無い言葉を投げつけてくる。
感情的に言葉を投げつけられるならまだ耐えられた。だけど、男は至って冷静だった。それが返って心に深く突き刺さるようだった。
暫くこの男の言葉に打ちのめされていたが、矛先が私から刀剣達に変わったときから、段々と腹の中に怒りというどす黒いものが溜まっていった。何故ここまで言われなければならないのか。
私だけのことならまだ我慢は出来る。だけどこの本丸の男士達のことまで言われるのは……
特に私の行動で皆が軽んじられるのは我慢がならない。
それに虐待があるかどうか調べに来たとか言っているけど、こちらからしてみれば、この男の言うことこそが立派な言葉の暴力なんじゃないのか。
刀剣達に対しての侮辱が引き金になり、怒りが沸々と湧いて、そしてそれは段々と大きくなり、濁流のように激しく渦巻き押し寄せる。
「……ふざけんなクソ野郎」
ドカッ!!
怒りに思考が支配され、思わず汚い言葉が口から零れ落ちてしまった時、隣に座っていた大倶利伽羅さんが突然テーブルを蹴り上げた。
突然の音に私の心臓は跳ね上がったと同時に思考も弾け飛ぶ。