刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
すると大倶利伽羅さんは盛大に溜め息を吐き、不服そうにしながらも口を開く。
「強要ではない。主に想いを告げたのも俺だ」
「それは審神者の手前、そう言わざるを得ないのか?命令だと縛り付けられているのか?」
「はっ…どうすれば納得する?ほくろの数か」
大倶利伽羅さんは嘲笑したあと、抗戦的な様子で私の腰に腕を回し、その胸に私を引き寄せた。
「く、ははっ!確かに…セックスを強要されているのなら、ほくろなんて数えるどころか見もしないだろうからな。…ま、いいだろう。何かあれば調査で明るみになるはずだ」
男は豪快に笑った後、再び資料に目を通し始めた。
大倶利伽羅さんの方は落ち着いている口調だけど、明らかに空気がピリピリしているし怒気を含んでいるのが目に見えてわかる…
「ああ、この本丸は…あの問題のあった本丸か、通りで刀の教育がなっていない」
「問題…ですか?」
「前に演練で審神者に刀を向けるという問題を起こしただろう。抜刀したのは大倶利伽羅か、…ふん、どうしようもないな」
「あ、あれはっ」
「いくら政府が推奨しているといってもね、君の所のように恋にうつつを抜かして弛みきってしまうケースと、それを糧に伸びる本丸があるということを知ってもらいたいものだな」