刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「審神者の力って、言っている意味がわかりません」
「偶にいるんだよ。恋い焦がれるあまり力を利用して縛り付け、無理やり恋仲の関係にしてしまう審神者が。先程も伝えた通りその逆もあるんだが」
「違、違います!お互い同意の上です!」
「では大倶利伽羅、この審神者はおまえとの関係性について同意の上だと言っているがおまえはこの審神者が好きなのか?それとも強要されているのか?それとも、この審神者を自分だけのものにしたくて囲っているのか?」
「なっ…!そんなわけあ、むごっ!!!」
「しぃーーー!」
襖の向こうから反論する長谷部らしき声が聞こえ、一瞬襖がガタついた。その後、他の刀剣が抑え付けたのか再び静かになる。
「…どちらにしても正直に答えてもらおう。問題がある場合は我々がそれ相応の対処をする」
大倶利伽羅さんはというと、男の言葉が余程不快だったのか眉間のしわが盛大に、深く、深く刻まれている。表情だけではない、客室が不穏な空気に一気に包まれたのが分かる。
その場にいる国広くんも私も思わず息を呑んでしまった程だ。
「大倶利伽羅さん…抑えて…」
小声で大倶利伽羅さんに言いながら目配せした。