刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
まさか本丸でもそんなことが起こる事があるなんて…ましてや人間に手を貸してくれて歴史修正主義者と戦ってくれている神様に対して…?
神様の中に人間がたった一人。戦いのさなか、孤独と恐怖、プレッシャー、色んな理由で鬱状態になる審神者が稀にいると聞いたことはあった。精神的に崩壊して訳が分からなくなり側に仕えている刀剣達に八つ当たりをして、まさかそれがどんどんエスカレートして虐待に至る…?
でもどんな理由であっても虐待なんて許されることではない。
刀剣達は皆心優しくて…そんな皆に酷い仕打ちをするなんて事、考えられないし考えたくもない。
刀剣達は私の家族そのもの。
彼らがいなくなるなら私も一緒に死んでしまいたい、そう思えるほど彼らを愛している。
こんなことを聞かされている大倶利伽羅さんや国広くんは何を思っているのだろうか…
私と同じ思いなのか、客室の襖の向こうに聞き耳を立てているらしい刀剣が軽くざわついているのが耳に入る。
「黙り込んでるということは、身に覚えでもあるのかね?」
「まさか、虐待なんて…そんなことするはずがないじゃないですか!」