刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「ふん、まあそれはそれとして…今日ここに来た本来の目的は他にもあってね…新米、彼をここに」
男は隣に座っている新米と呼ばれる男に目配せした後、徐にコーヒーカップを手にし、お砂糖とミルクをぶち込んだ後ズズっと下品な音を立てながら啜った。
新米と呼ばれた若い男の政府職員がすくっと立ち上がり客間の襖をそっと開けると、何故かそこには大倶利伽羅さんが立っていた。
「え…?」
「そこに座りたまえ」
私の隣に座るよう大倶利伽羅さんに高圧的な態度で言うと、大倶利伽羅さんは少し眉を寄せながらも私の隣に腰掛けた。
なぜ大倶利伽羅さんが呼ばれたのか理解が出来ず、私は思わず小首を傾げてしまう。
「ふむ、資料にある通り、君の相手は大倶利伽羅で間違いないね?」
「相手…?え、あ…はい」
「恋仲になってから8ヶ月といったところか」
「それが、何か…?」
何を聞きたいのか、この男の意図がさっぱり分からず大倶利伽羅さんに視線を向けると、包み込んでくれるような温かい眼差しがそこにあり、不安を覚えていた気持ちが一気に和らいだ。
改めて男に向き直ると、私と大倶利伽羅さんを交互に舐めるように見た後、男はゆっくりと話し始める。