刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第13章 恐怖映画上映会
幽霊らしき人物の振り返る動作がスローモーションのように見え、段々と顔がこちらを向く。
「ひ…ひ…「なんだ、騒がしい…」ひぃっ……へ?」
よく見ると大倶利伽羅さん。
なんで幽霊なんかと見間違えたのか!
怖い怖いって思ってると余計そういう風にみえちゃうっていうのは本当なんだね…
「大倶利伽羅さん!! 良かったぁ!」
「は?」
彼は一人縁側でお酒を嗜んでいたようだ。傍に一人分のお猪口と徳利がお盆の上に置いてある。
「廊下が暗くて怖いから、ダッシュしてたのっ!」
「…」
急いで大倶利伽羅さんの隣にお邪魔する。彼は意味がわからないというような顔でこちらを凝視している。とにかく良かった!
「大倶利伽羅さんはお酒飲んでたんですか?」
「あぁ」
そういえば大倶利伽羅さんは明日非番だったっけ。
「あんたは、何をそんなに怖がっているんだ?」
「えっとですね、」
「また国永が何かしてきたのか?」
「いえ、違いますっ」
鶴丸が来てから私は何度もいたずらを仕掛けられていたので、大倶利伽羅さんはすっかり用心深くなっているみたい。