刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第13章 恐怖映画上映会
特にクライマックスが凍りつくほど怖かった!!
既に近侍も寝ている。
近侍の同田貫さんは「あ?恐怖映画上映会?くだらねぇ、早朝に鍛練してぇから先寝てっぞ」と映画に付き合ってくれなかった。
一緒に見てくれてたら、近侍部屋は執務室の隣なので必然と部屋まで一緒に帰れたのに…
ひっそりとした暗い廊下を見つめる。この先、明かりがほとんどなく月明かりだけがボゥッと照らしていた。
映画にもこんなシーンがあった…怖い。
いつも歩いてる廊下なのに違う場所みたいに見える。今更ながら映画が終わった時、「怖いなら部屋まで送ってやるよ」と御手杵に折角言われたのに、遠慮して断ってしまった自分を恨んだ。
「…はあ…どうしよ…」
ここは走ってやり過ごすしかない!と思い、後ろは振り向かないようにしてバタバタとダッシュして自室まで向かう。
その途中で月明かりに照らされた人影が…
ドキンと大きく心臓が鳴り、走っていた足も急ブレーキをかけなんとか止まる。
うそっ!
まさか幽霊…!?
引き返そうかどうしようか考えながらも、怖くて体が硬直してしまって思うように動けずにいたら、幽霊がこちらをゆっくり振り返った。