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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第46章 政府の監査


──それが朝の出来事。


そして今、私の目の前には政府の人が座っている。

こんのすけの説明を受けた後、まるで狙っていたかのように直ぐに政府の人が二名押しかけてきた。

それなりに年配の男の人と若い男の人だ。

年配の男の人は若い人のことを新米と呼んでいる。ぺこぺこして妙に腰が低い新米と呼ばれている男の人は、年配の方に比べると、とても柔らかい雰囲気でいかにも人が良さそうだ。

そしてそのあだ名の通り、政府に所属して間もないということが伺える。


私の目の前に座っている年配の男の担当者はしきりに手持ちの資料に目を通していて、客間は異様な緊張感で満たされていた。


刀剣の練度だったり常日頃の業務報告、資材の数等については嘘偽りなく書類で提出しているが、これほどじっくりと資料に目を通されては何か不備でもあっただろうか、と不安が募っていく…

何にせよこんなことは初めてなので何をどうすれば良いのか全然わからない。


私の後ろには国広くんが待機していて、おそらく襖の向こう側には鶴丸や御手杵、好奇心や忠誠心の強い刀剣達が聞き耳を立てているに違いない。


ぺろっと指に唾をつけ書類をめくりながら活字を追っていた決して綺麗とは言えないような、くすんだ瞳がようやく此方に向けられた。


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