刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第45章 大倶利伽羅の憂鬱
「こうすれば、少しは楽になるだろう」
「え、…もしかして……知ってた、の…?」
「あんたの月の物の周期は把握している」
ゆっくりとお腹をさすりながら答えると、バツが悪そうに、気まずそうな表情を纏ったこいつが俺に更に問いかけた。
「やっぱり…血の匂いで、わかっちゃうの…?」
「…?」
「ほら…前に、ずっと前、伽羅ちゃんが近侍の時、具合悪かった時に血の匂いがするって言われて…覚えてる?」
「ああ……あれか」
そういえばそんなこともあったな。
あの頃は、あんたと随分と距離があった時期だ。
戦えればそれでいいと思っていた頃。俺はその為に呼ばれたのだから、と…
ふ、と自然に笑いが溢れる。
すると、こいつは何を勘違いしたのか「やっぱり…わかるんだ」と言いながらがっくりと項垂れた。
「実は、ね…ずっと気になってたんだけど、恥ずかしくて聞けなかったの…でもそっかぁ…やっぱりそうなんだ」
「違う。あれは特別だ。いつもはわからない」
「特別?……えっ、そうなの?」
「あの時は随分血を流していただろう」
「…うん、そう…鮮血がとめどなく…」
「それだけ流れていれば気付く。あんたの具合も悪そうだったし、それが何故なのか俺がアンテナを張り巡らせていたからな。それに…」
「それに…?」