刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第45章 大倶利伽羅の憂鬱
「あ、でも、でもねっ!伽羅ちゃんがあっちで寝たい時だってたまにはあるたろうし!その時は私に気を遣わずに全然行っても、んん…っ」
俺は、あんたがいれば他に何もいらないんだ。
感情をぶつけるように唇を重ね、何度かふくよかな唇を覆うように食んだ後「必要ない…」と答える。
何か言いたげのうっすら開いた唇に、再度喰らいつく。舌を差し出せば、俺に応えるようにその小さな舌を差し出してきた。
時折薄っすら目を開けてこいつの顔を伺うと、気持ち良さそうに瞼を閉じて享受している。暫く深く重ねつつ眺めていると、瞼が震え、それがゆっくりと開いた。その瞬間黒い瞳と視線がかち合い、次いで分かりやすいくらいに赤く染められていく頬。
それが面白くてちゅ、とわざと音を立てて唇を離すと慌てたようにこいつが口を開く。
「や…だっ!伽羅ちゃんいつも目開けてるの!?」
「さあな……もう寝るぞ」
「え、あっ」
有無を言わせず布団を被せると、文句を言いながらも大人しくなった。そっとこいつのお腹に手のひらを乗せると、被せるように小さい手が乗せられ重なる。
「伽羅ちゃんの手、ほんと温かくて心地いい…好き…」