刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第45章 大倶利伽羅の憂鬱
「そうだね。たまにはそれもいいんじゃないかな、今日は実家…ふふ、僕たちの部屋で寝るかい?伽羅ちゃんの布団、いつでも寝れるようにちゃんと干してあるんだよ」
「伽羅こっちで寝るのか?なら今日は皆で夜通しトランプでもしようぜ」
「たまにはいいよな伽羅坊!」
「慣れあうつもりはない」
「またそんなこと言って!何か胸につっかえる事があるのなら吐き出そうね伽羅ちゃん!その方がすっきりするし体にも良いよ!あとはゆっくりここで寝て明日主ちゃんのとこに戻れば問題ないから」
「だから断ると、」
「はいはい、とりあえずここ座って」
俺の言葉なんて聞かずに問答無用で座らされ、更に強引に手に猪口を持たされ勝手に酒を注がれる。
そうだ、昔からこいつらは一人になりたい時でも必ずと言っていいほど一人にさせてくれない。
顕現当初は鬱陶しくて仕方がなかったが…今日はそんなこいつらの強引さがありがたく感じる…
一人になると余計なことを考えるのは目に見えている。
我ながら、情けないことにあいつのことになると制御が利かない己が嫌になる。
ふと光忠が作った酒の肴に目をやると、乾き物に交じって、笹かまやずんだ餅が置いてあった。