刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第44章 続・魅惑のランジェリー
そして、彼の温もりと共にお風呂上がりのいい匂いが私の体を包み込む。
いつもなら、このまま今日あった出来事など色んなお話をするのだけど今日は違う。目的がある。
どことなく緊張している私に気付いたのか、大倶利伽羅さんが「どうした…?」と尋ねてきた。その声はとても穏やかで優しい。
「…うん、…あの……」
今まで何度も体を重ねてきた。
だけど、自分から求めたことは一度もない。神酒を飲んでしまって乱れた時を除いては…
彼の腕の龍の鱗を眺めながら口を開きかけては閉じる、を暫く繰り返す。そんな私を大倶利伽羅さんは急かすこともせずじっと待ってくれていた。
「し、…」
「……?」
「し、したい……ぁ、あの…えっち、…したい…です」
昨晩もしたのに自分から誘うなんて余りに恥ずかしくて、聞こえるか聞こえないかのギリギリの声量でしか言えなかった。
どうしよう…
聞こえなかった、なんて言われようものなら私はもう恥ずかしくて同じ事を言えないかも知れない。
ドキドキしながらお腹に回されている大倶利伽羅さんの逞しい腕をぎゅっと握ると、彼の耳はしっかりと私の声を拾ってくれていた。
「俺も…したい」