刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第44章 続・魅惑のランジェリー
あぁ…そういえばあのまま大倶利伽羅さんの上で寝てしまったんだっけ…とまだ少しぼんやりする頭で考える。
ゆっくりと上体を起こすと、大倶利伽羅さんの穏やかな顔。そして私と目が合うと金の瞳が僅かに細められた。
「もう起きたのか」
「ん…………伽羅ちゃん、ずっとこのままでいてくれたの?」
「気持ち良さそうに寝ていたからな…」
時計を見ると小一時間経過していた。こんなに長い時間硬い畳の上でずっとこの体制でいてくれた…私を起こさないために…
横に下ろして放置してくれても良かったのに…どうして彼はこんなに優しいのだろう。
「ごめんね伽羅ちゃん…それにありがとう…重かったよね…背中痛くない?」
「あんた一人くらい問題ない」
「もう…いつも助けられてばっかり…結局甘えてばかりになってる…」
「そんなことはない」
「そんなことあるもん…」
「気にすることじゃない」
大倶利伽羅さんはくしゃりと私の頭を撫でる。そしてふんわりと優しく笑った。
その瞬間私の心臓が止まりかけたのは言うまでもない。不意打ちでそんな甘く微笑みかけられるのはいつになっても慣れなくて、毎度のことながら危うく天に召されそうになる。