刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第44章 続・魅惑のランジェリー
「危ないだろ…」
「伽羅ちゃんが返してくれないから……」
「このまま少しでも休め。クマが出来ている」
大倶利伽羅さんがそっと私の涙袋の下を親指の指先で撫ぞる。
「でも…っ」
そんな訳にはいかない、と両手を大倶利伽羅さんの顔の両脇に置き上体を少し起こしたところで、足音と共に突然光忠の声がして執務室の襖が開かれた。
「主ちゃん~!甘いもの作ってきたよ。お砂糖多めに入れたからこれ食べて少しでも、…っ!」
大倶利伽羅さんの上に乗っかかりあきらかに私が押し倒しているような光景に光忠は目を見開く。
「わぁっ、ごめん!!取り込み中かい!?じゃ、邪魔したね!!」
「ちがうの光忠っ」
慌てた様子で顔を背けながらおやつを机の上に置き、そのまま出ていこうとする光忠の背中に向かって弁明するけど、何故か大倶利伽羅さんは私をぐっと胸に引き寄せた。
「ひゃあっ…!」
その力の強さに成すすべなく、離れようとしていた私の体は難なくべちゃりと大倶利伽羅さんの胸の中に引き戻される。
「少し休めと言っているんだ」
「え、だって、光忠、おやつ」
「いいからこのまま少し寝ろ。後で起こしてやる」