刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第44章 続・魅惑のランジェリー
あと少し…
薬研くんが記入してくれた書類の確認と署名捺印、そしてそしてこっちは集計して…あぁ!こっちの総合計が合わないんだった。もう一度確認しなきゃ…
「おい…」
「ッ!」
急に聞こえた声に大げさなほどに体が跳ね、息が止まりそうになった。弾かれたように顔を上げると、いつの間にか執務室の壁に背を預けている大倶利伽羅さん。いつからそこにいたのだろうか。
「びっくりした…伽羅ちゃんいつからそこにいたの?全然気付かなかった…」
「はあ……あんた、少しでも休んだ方がいい」
「でも、休んじゃうとそのまま出来なくなっちゃいそうで…だから勢いのままやっちゃおうかと。それに後少しなの、だから、」
「駄目だ」
話し終わらない内にぱっと書類を取り上げられた。意外な彼の行動に驚いて、慌てて奪い取ろうとするも書類を持っている手を高々に挙げられて身長差で届かない。
えいっとジャンプして取ろうとしたら、大倶利伽羅さんの足を踏みそうになり咄嗟に避けるも、もつれてバランスを崩してしまいそのまま二人一緒に畳に倒れ込んだ。
「ごめん…っ!」
少しの衝撃が体に伝うも、大倶利伽羅さんがちゃんと受け止めてくれて全然痛くない…