刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第44章 続・魅惑のランジェリー
あっという間に私の目の前に来た大倶利伽羅さんは、ぐしゃぐしゃ、と私の頭を掻き混ぜるように撫でる。
「きゃっ…!…な、何?」
「疲れているんだろう…俺の前で無理はするな」
「っ、きょ、今日は薬研くん特製のお薬飲ませてもらったからやる気が凄いの!だから大丈夫!」
「そんなものを飲んだところで疲れが取れる訳ではない」
「…でもっ、大丈夫だから気にしないでね!伽羅ちゃんも出陣とか内番で大変なんだから、もう寝たほうがいいよ?」
「……して欲しいことは」
心配かけたくなかったけど、大倶利伽羅さんにはお見通しのようだった。
彼の優しさが疲れた体に染み渡っていくようで少し泣きそうになり、強がっていた心が簡単に折れてしまう。
「…充電…してもいい、かな…?」
「…」
私の言葉を受け、大倶利伽羅さんは無言でスッと両手を伸ばす。意味を理解してくれるのが何よりも嬉しくて堪らなくて、遠慮なく彼の胸に飛び込み甘える仕草を見せると、大倶利伽羅さんは無言で受け止めてくれて背中を擦ってくれた。
もし、私が刀剣男士だったなら…
この執務室はあっという間に桜の花びらで埋め尽くされているだろう。