刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第44章 続・魅惑のランジェリー
……かといって来てもらっても相手に出来ないのだから仕方ないのだけれど。
大倶利伽羅さん今頃何してるんだろう…
会いたいな…
ぎゅってしたいし、してほしいな…
頑張れって大倶利伽羅さんの声で励ましてもらいたいな…
考えれば考える程ますます会いたくなってしまうのが人間というもの。
「伽羅ちゃん…」
「……大倶利伽羅さん」
無意識に発してしまう彼の名前。
口を開いては静寂に呑まれていく自分の声により一層空しさと寂しさを募らせていると、スッと執務室の障子が開き低い声が降ってきた。
「呼んだか」
「っ!!…か、らちゃんっ」
突然現れた大倶利伽羅さんに驚いてしまった私は、突っ伏していた上半身をがばっと勢いよく起こす。
そんな私を静かに見下ろしていた彼は、机に散らかっている書類を一瞥し僅かに眉間にしわを寄せたかと思えば、はあ…と溜め息を付いた。でも私を映す金の瞳は気遣わしげな色を含んでいる。
「まだ終わらないのか」
「あと半分弱!今からが勝負かな!でも大丈夫だから!」
会いたいって思っていた人物が目の前にいる。
胸がきゅんとなって、色んな感情が溢れそうになるのをぐっと堪えた。
すると大倶利伽羅さんは、はあ、とまた一つ深い息を吐き、大股で私の方へと近付いてくる。