刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第44章 続・魅惑のランジェリー
差し出された飲み物を受け取ると、それはよく冷えていていかにも目が冴えそうな青色をしている。
「つめたっ…!」
「目覚まし、だからな。冷たい方がより効くだろ?」
「確かに!…でも、もしかして眠気が吹っ飛ぶように味も爆弾級だったり…する?」
「ははっ、安心してくれ大将。俺っちはそんな鬼じゃねえ」
「そうだよね…うん、では、遠慮なく…いただきます」
そう言いながらも多少の不安があり…薬研くんに失礼なことをしていると頭ではわかっているけど、ついつい飲み口に鼻を近づけて匂いを嗅いでしまう私。
それを見ていた薬研くんが「たーいしょ、俺っちを信じてくれよな」と苦笑している。気を取り直して恐る恐る口にすると、メントールの味が口一杯に広がり、鼻から清涼感が突き抜けた。そして後から追うようにグレープフルーツの爽やかな味わいが…
「すっきりしてて…お、美味しい…」
「だから言っただろ」
「薬研くんって本当に天才!」
「褒めても何もでないぜ?それにそう何回も飲める代物じゃねえからな?」
肩を竦めながら空になったコップを受け取り、薬研くんは執務室を後にする。一方の私は薬研くん特製眠気覚ましを飲んだおかげですっかり目が冴えた。