刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第43章 ある日の出来事 5
「そうではないんです主。あの…これから、その、、出陣時には毎度主から口吸いをして頂けると聞いたのですが、そ、それは俺にもして頂けるのですか?」
「は!?」
てっきり部隊編成のことについて言及されるのかと身構えていたから、長谷部の言葉に拍子抜けしてしまった。
口吸いって、頬ではなく口にするあれですよね?それとも頬にするのも口吸いと表現するのだろうか?
なんか話が食い違っているし、そもそも昨日のその件を何故知っているのか…
一期さんや五虎ちゃんが皆に言いふらすなんて事は考えられないし、そんな事をするのは加州くんか、鶴丸…?
しかも頬にキスするのは、昨日のあの一時だけだと思っていたのに、何故か毎回って話になっている。
「主よ、それは俺にもしてくれるということで間違いないな?鶴が自慢げに俺に言うものだから悔しくてなあ…」
やっぱり犯人は鶴丸だった…
三日月さんがわざとらしく涙を拭うような仕草を見せる。
「み、三日月さんまで…でも、口吸いではなくて、頬に軽く口付けただけなんです。あ、あの、皆さんが嫌でなければ…頬に軽くですけどし、しましょうか…」
ここまで知れ渡っていてはシラを切るなんて事は不可能だった。