刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第43章 ある日の出来事 5
「伽羅坊!嫉妬深い男は嫌われるぞ!」
遠くで聞こえる鶴丸の声と、クスクスと笑う皆の姿に顔だけじゃなく、耳まで赤くなったと自覚する。
ダンッ!
その後、鶴丸に追いついた大倶利伽羅さんが鶴丸の足を思いっきり踏んだ。
「いってえぇぇ……!」
「ふん……」
足を抑えながら片足で飛び上がっている姿に、その場が皆の笑いに包まれた。
次の日、出陣する部隊の刀装等の最終チェックを行っていると、なにやら長谷部の様子が少しおかしい事に気が付いた。
心なしか顔が紅潮しているし、長谷部にしては珍しく落ち着きがないように見える。
もしかしたら体調が優れないのに出陣しようとしているのでは…?「これくらいなんてことありません、俺は出陣しますよ」なんて言われそうだけど、万が一出陣先で何かあってからでは遅いので長谷部に問い詰めた。
「長谷部?もしかして体調悪い?だったらすぐに編成変更するから今日は休んだ方がいいよ?」
「いえ、具合が悪いわけではありません。あの、主…その…」
様子がおかしい。
いつもはっきり物を言う長谷部が言いあぐねるなんて余程の事だ。
「長谷部、言いたいことがあるなら言って?もし部隊に不安があるのなら、」