刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第43章 ある日の出来事 5
まさか一期さんまで催促してくるとは夢にも思わず…驚いて尻餅をつきそうになった。
しかも跪いているその体勢…お姫様、さあお手をって言いそうな感じがひしひしと伝わってきますっ!
「主?…太刀は駄目なのですかな…?」
あわあわしていたら一期さんが不思議そうにこちらを見つめていて、大倶利伽羅さんは何か言いたげな表情…
「いや、そ、そんなことはないですっ…では…失礼します」
恥ずかしながらもそっと頬に口付けを落とすと、「有難うございます」とロイヤルな笑顔。釣られて「こちらこそ有難うございます」と言ってしまう始末。
そこで「隙ありっ」と鶴丸が私の頬にちゅ、としてきて私と大倶利伽羅さんは目を見開く。
「国永…ッ!」
「驚いたか!俺はされるよりもする方がいいからなっ」
硬直している私をみてケラケラ笑っている鶴丸だけど、私からしないと意味がないのでは?それとも触れ合ったから良いのだろうか…?
よくわからないまま、それじゃ出発するかぁ~と去って行く鶴丸を尻目に、「消毒だ」とすかさず鶴丸が口付けた同じ所に大倶利伽羅さんが唇を寄せる。
更にこれみよがしに唇にもちゅぅ…と吸い付かれた。
「~~~っ!!」
「…行ってくる」