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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第42章 神酒 ―番外編―


荒い息を零しながら呟き、彼女の姿を求め部屋を出ようとすると洗面所の方からシャンプーの香りを含んだ湿度の高い空気が漂ってきた。


風呂に入っているのか
…なら、ちょうど良い


は、は、と熱を逃がすように息を吐きながら風呂場へと続くドアに手を掛けようとした瞬間、カチャリとドアが開かれた。ドアノブを掴もうとした手が宙を彷徨う。


「あれ…?伽羅ちゃん、どうしたの?」


目の前には浴衣を身に纏った彼女の姿。風呂上がりで暑いからかいつもより襟元が開いている。開いた襟元から覗く肌はほんのり赤く色付いていて、軽く結った髪の毛が更に艶を増しているようにみえた。

無防備なその姿に今すぐにでも押し倒したい衝動に駆られ、思わず生唾を飲み込むと、彼女の表情に疑問の色が浮かぶ。


「ん…?どうしたの?何かあった?」


俺の状況を知るはずもない彼女は、きょとんと目を丸くし俺を見つめている。堪らなくなった俺は無言で手を伸ばし強引に彼女を腕の中に引き寄せ閉じ込めた。


「ひゃ……伽羅ちゃん…!?」


驚いたような声が耳に届くが、そんなことは構わずに彼女の首筋に顔を埋める。はあ…風呂上がりの匂いに混じってあんたの匂いがする。


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