刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第42章 神酒 ―番外編―
「ぐ…っ」
雄がぶるりと震え三度目の吐精を終えた後、懐紙で性急に精液を拭き取った。
それでも治まりのつかない熱に半ば諦めの息を吐く。
吐き出しても冷めることのない昂ぶりになす術なく、衝動に突き動かされた俺の足は自然と審神者部屋へと向かっていた。
体が焼けるようだ。
あいつを抱いたら少しは治まるのだろうが、こんな状態であいつを前にしたら俺は、正気を保っていられるのか…?
正気を失うことがあったら…
壊してしまうかもしれない…
一抹の不安が脳裏を過るも、火照るこの体は心とは裏腹に速足で彼女の元へと向かっている。
審神者部屋に着くと幸か不幸かあいつの姿はなかった。そんな状況に心のどこかで安堵している俺がいる。
今なら引き返せる…
耐えれば、時間が経てば流石にこの疼きも終わりを迎えるときが来るはずだ…
歯を食いしばり、部屋を去ろうと踵を返すも部屋に残された彼女の甘い香りにズクリと丹田が疼いた。
――あいつを、抱きたい…ッ
行き場のない欲望が頭をどろどろに支配していく。
体が、思考が…言うことを利かない。
彼女の残り香が引き金となり、欲望に支配された俺はあいつの姿を探してしまっていた。
「はぁ、はー……どこだ」