刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第42章 神酒 ―番外編―
堪らない…
どうしようもないくらい身体が熱い
あんたが欲しい…
「っ、どうしたの…?…もしかして体辛いの!?」
「はぁ……は、……国永に…盛られた」
「は!?え、盛られたって…どういうこと?盛られた…?毒?毒とか!?悪戯で?……ひえっ!そ、そんなことって、ど、どうしようっ!!すぐ薬研くんの所に、」
「違う…前のあんたと同じだ…審神者用の酒を飲まされた……はあッ…あつ、い……くそッ」
相変わらず痛いほどに主張している雄を彼女の体に押し付けると、あ、という困惑した声が聞こえ僅かに腕の中の体が跳ねた。
「伽羅ちゃん…」
彼女の心地よい声が俺の鼓膜を揺らす。
状況を理解したのか俺の名を呼んだ彼女は、俺の背中をゆっくり擦った。その途端体がゾクリと泡立ち熱が体を駆け巡る。
「ッ……く、」
勝手に開いた口から呻きが漏れ、只でさえズボンを押し上げている雄が更に熱を持ったことで抱き締めている腕に無意識に力が入った。
カタ…ッ…
その時、隣の近侍部屋から物音が聞こえた。
恐らく俺が来たことを知り近侍が部屋を出て行った音だろう。確か、信濃だったか…短刀は察しが良くて助かる。