刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第41章 神酒
「……なんでこんな事に」
机に突っ伏して項垂れていると、パーンと襖が勢いよく開いてこんのすけと私は飛び上がる。
見ると、険しい表情の大倶利伽羅さんと光忠が入ってきた。
光忠は私を見てにっこり微笑んだ後、こんのすけに話し掛ける。その顔は私に微笑んだ時とは違う黒い笑顔だった。
「こんのすけくん?これ、食べていいからもう許してあげてくれないかな?」
「燭台切様?…これをわたくしめに??…で、ですが!…私は政府の役人から、」
こんのすけは目の前に置かれた高級油揚げと光忠特製いなり寿司をチラチラ見て、一瞬目をキラキラと輝かせるものの、はっとしたように首を振り話を続ける。
すると光忠がずい、とこんのすけに距離を詰めた。その顔は決して笑ってはいない。
こんのすけの顔がみるみる内にひきつり目も泳ぐ。
「いくら政府でもこれは酷いんじゃないかなあ?大体そこまで知る必要があるの?プライバシーの侵害だしセクハラにもなると思うんだよね…どお?こんのすけくんはそうは思わないのかい?」
「ご、ごもっともですがっ、あくまで一つの事例として報告をしろと、ひいいッ!!」
「ならお前が適当に書け、それぐらい容易いことだろう?」
「大倶利伽羅様っ苦しいですぅ…は、離してくださ、ぐえッ」