• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】To my darling

第2章  Happy moment in holy night.




少し外れたところに立っているその教会は、建物自体はまだそんなに傷んでいない。
むしろ小綺麗な印象で、小さいながらもいい感じだった。

なのに使われていないのは恐らく、建っている場所が原因だろう。
住宅街からは距離がある上、この周りには建物一つない。

そのおかげでリアは好きにピアノを弾けるのだから、建てた人はともかくリアにとっては都合が良かった。



ギィー…

正面にある、少し軋む大きな扉を開けて中に入る。

そこは普通の教会のような祭壇などがあるわけではなく、大きいホールが広がっていて、中央にグランドピアノがでんと置いてある。

その風変わりな内装も使わなくなった要因かもしれない。
特に教会と言えばピアノではなくオルガンだろう。

しかし正面に大きなステンドグラスがあるのは同じで、そこから月明かりが差し込みホール内を幻想的な雰囲気に仕上げていた。

1ヶ月ほど前、リアが自分で調律したばかりなのでピアノの音に狂いはない。


「スー…ふぅ」


ピアノの前に座り、深呼吸をして心を落ち着かせる。

そっと蓋を開け鍵盤の上に手を置けば、あとは弾くだけだ。


…♪~


この曲は少し切ないようなメロディーなのに、何故か暖かく懐かしい感じがする。
同時に、無性に泣きたくなってもくるのだった。



美しいその音色は、静かな辺りに響き渡った──

/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp